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浜名っこ大佐blog@仮設

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漫画のロストテクノロジー

先の見えない作画ですが
ちょっと一息入れます。

さて、何とか細々ながら続けている
バイクメンテ漫画という仕事柄
理解力が追い付かなくとも
見慣れない技術書やサイトに目を通すようになりました。
(学校、文系を選択したのが悔やまれます)

時代柄でしょうかバイクや車の世界に限って言えば
次から次へとハイブリット新技術の目白押しで
僕のようなボンクラでは追いつけない世界で有ります、、

そして気が付けば
僕らにとって馴染みの深いレシプロエンジンは
既に枯れた技術と為りましたが
特に2ストに関して言えば
ほぼ新技術の発表は為されていません。

これは枯れた(円熟した)と言うより
2ストの構造故に未燃焼ガスを垂れ流す特性が
現在の環境基準をクリア出来無いので
捨てられた技術と為ってしまった訳です。

蛇足ながら僕が現在着手しているMBXは
まさに典型的な2ストエンジンですが
後年開発された排気デバイスやらデジタル進角など無い
シンプルかつ耐久性に富んだ構造ですので
捨て去るには忍びない物です、、

さてエンジンで言えば2スト
家電ならCRTモニターなど
時代にそぐわなくなって捨て去られる、
または新規開発や円熟化が為されない物が
ロストテクノロジー化していますが
漫画表現も例外では有りません。
(やっと本題に入りました、、、)

画像の「かけ網」がそれです。

これはフォトショで描いた奴ですが
かつてはアシさんが手書きで描いていまして
漫画表現の主要なアイテムでもありました、、、

現代は多くの作家さんがパソコンで作画していますが
アナログ作画全盛期で
スクリーントーンが高価で種類も限られていた数十年前は
「かけ網」の濃度一つで
画面の立体感や心理描写などを表現していました。

翻って今日ですが
漫画表現で「かけ網」を使用する機会はほぼ無くなりました。
僕も「かけ網」は漫画の中では使わなくなりました。

主だった原因として

1 デジタル作画が主流となり
 「かけ網」を使わずとも立体感や心理描写の表現が容易になった。

2「かけ網」を多用すると画面が古臭くなる

で、実はこれが重要ですが

3「かけ網」を駆使できるアシさんや作家さんが居なくなった
 のが本当の理由です。

僕が漫画の世界に足を踏み入れた頃は
「かけ網」を駆使するプロアシさんが多く居ましたが
その頃よりスクリーントーンがお手頃な価格帯に落ち着いて
「かけ網」技術とトーン削りの技術が鎬を削りあい
結果、トーンワークの多様化が漫画表現の主役となりました。
(現在はデジタル処理で多くの表現が間に合う様になりましたが)

実は僕も「かけ網」が苦手でしたが
その分、トーン削りの技術を磨く事に精進し
お陰さまでプロアシ時代は喰うに困らない収入を得ていました。

本題に戻りますが
漫画のロストテクノロジーである「かけ網」ですが
もう一度復活させようかと目論んでいますw

課題はいかに画面を重たくせず効果的に使うか、
デジタル処理と違和感無く調和させるかと
悩みながら模索していますが
実は「かけ網」を描いてると
手が痛くなるのが難点で
実際、腱鞘炎を患い引退したアシさんも居たようです。

勿論、デジタルで再現できますが
手書きの良さには未だ敵わないのも現状です。

ロストテクノロジーの復活はなかなか困難なものです。
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by hamanakkotaisa | 2009-06-30 06:25 | 漫画
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漫画家浜名っこ大佐です。ご意見無用。


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